ラノベで時々みられる「2巻打ち切り」がどれほどキツいかを作家が語る
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ラノベで時々みられる「2巻打ち切り」がどれほどキツいかを作家が語る
西上 柾@Sheol0x01ライトノベルで時々みられる「2巻打ち切り」が作家にとってどのくらいキツイかというと、新しいシリーズを準備するにはどうしても準備期間が必要で、その間無給になるあたり。準備に3ヶ月、一冊あたりの執筆に3ヶ月として、重版なしだと9ヶ月分の収入が108万とかになってしまう。月12万。
西上 柾@Sheol0x011部600円として印税10%、1巻初刷り1万部で60万円。2巻目は8千くらいに引き下げられて48万円。合計108万円。これが2回も続くと、生活費はなんとかなっても「次の取材費を捻出する」のが厳しくなる。地獄の悪循環の始まり。
西上 柾@Sheol0x01短期打ち切りが続くと作家は「傷む」。健康を維持するのも、取材をするのも、インプットを増やすのもすべてはお金。打ち切りが続くとどれかを諦めなくてはならなくなり、自信もなくなる。そして余計に次作を出しにくくなる……。
西上 柾@Sheol0x01事業として見た場合、作家の人件費を月20万円とすると、2巻打ち切りは月8万円の『赤字』になる。この状態が18ヶ月続けば負債は144万円に膨らむ。多くの作家がこの負債に耐えながら執筆を続けている。
西上 柾@Sheol0x01かといって、この負債を出版社が肩代わりするというのはできない相談だ。もしそのようにした場合、出版社はこれまで以上に売れる作家の作品しか出さなくなる。作家の数は数十分の1に激減するだろう。
西上 柾@Sheol0x01小説投稿サイトの効能のひとつは、準備期間中に無給であるという点は変わらないものの、「このネタは受けそうにない」と分かった時点で撤退できる点にある。プロの作家が観測気球を打ち上げる場としては有効に機能するのではなかろうか。
同様に、クラウドファンディングも「成功を期待して募集する」よりは「失敗を見極めるために募集する」ことで作家側の赤字リスクを圧縮する役に立つものと思われる。