東京の映画プロデューサー、コロナの激痛で病院訪れるも定員オーバーで帰され自宅で死亡
|
|
東京の映画プロデューサー、コロナの激痛で病院訪れるも定員オーバーで帰され自宅で死亡
コロナ犠牲者が残した“最後のLINE”
4日 23時18分新型コロナ「第3波」が猛威を振るっていた今年1月、東京では、診察も受けられないまま自宅で死亡する人が相次ぎました。ある男性が死の直前まで友人に送っていたLINEのメッセージは、医療崩壊の恐ろしさを浮き彫りにしていました。
〈なんか、コロナになったかも。辛子明太子を食べたら辛くないのです〉
新型コロナ「第3波」の真っただ中にあった今年1月、ある男性が友人に送ったメッセージです。
〈全身が痛くて起きられない〉
〈はやく病院行ったら。本当にいきなり、急変して死んじゃった人いるからさ〉(友人)映画のプロデューサーとして活動していた及川淳さん(60)は、このやりとりの数日後、東京・新宿の自宅で亡くなっているのが見つかりました。検査も治療も受けられないまま、一人暮らしの自宅で容体が急変。死亡した後の検査でコロナへの感染が判明したのです。こうしたケースは第3波で急増し、1月には、警察が把握しているだけでも76人に上りました。
及川さんが亡くなる直前までLINEでやりとりをしていたのは、友人で仕事仲間でもある杉本正幸さん(61)です。
「(及川さんと)ここのスタジオにお世話になった。本当に(映画の)できあがりを楽しみにしていた」(杉本正幸さん)
当時、2人が制作中だった映画が完成間近で、去年の大晦日に映画関係者や俳優らとの会食をしていました。
「年末に会食した時に一緒にいた方について(及川さんは)『あの人大丈夫かな』と話していたので、どうしてって聞いたら『なんか咳出ているし』という感じで話していました」(杉本正幸さん)
会食メンバーの中に、せきこんでいた人がいたということで、及川さんが体調の異変を訴えたのは、その2日後のことでした。